熊野古道　六日目の街道歩き旅　[小口～越前峠～那智大社編]

出発点

大雲取越は約14.5km。所要時間は約6.5h。

石灯籠

いかにも古道らしい雰囲気である。

健脚派

大雲取越は確かに健脚派向けのコースである。

円座石

わろうだいし。

円座とは円形の敷物。熊野の神々が、ここに集い談笑したりお茶を飲んだという伝説が残る。

大石に刻まれた梵字

右から順に、熊野三所権現の阿弥陀如来、薬師如来、観音菩薩。

道標

番号道標が500m毎に建つ。

中根の旅籠跡(中央上)

前述の円座石から約30分の地点だ。

楠の久保旅籠跡

前述の中根旅籠跡から登り約30分。

庚申塔(左)

土屋文明の歌碑

「風行く梢の音か瀬の音か下りの道は心たのもし」

土屋文明(1890～1990)は群馬県、現高崎出身。下りの道とあるのはこの歩き旅とは逆に那智から登って来たからであろう。

胴切坂

不気味さ漂う急坂で、大雲取越え最大の難所といわれた。登ると横腹が痛くなり胴が切れそうだという意味らしい。

越前峠近くの句碑

「瑠璃鳴くや雲取山のいきいきと」(池本皎月)

越前峠(標高871m)

峠には土屋文明の歌碑が建つ。「輿の中、海の如しと嘆きたり石を踏む丁のことは傅えず」

峠を下る

谷川を横切る。

長塚節の歌碑

「虎杖(イタドリという植物)のおどろ(草が繁茂する様)が下をゆく我のたぎつ速瀬をむすびてのみつ」(1902)。越前峠への登り口に建つ。

急坂の石段

左奥が、これから向かう那智方面。

石倉峠

「紀伊の国 大雲取の峰ごえに 一足ごとにわが汗はおつ」(斉藤茂吉)歌碑の左に石仏も立つ。

地蔵茶屋付近

前述の石倉峠から約15分の所。

色川辻の石仏(左)

ここから八丁坂の登りとなる。

舟見峠

標高は883m。左上は電波塔。

展望台から

那智湾の眺望。中央奥は妙法山。

大戸平公園

右に「大雲取山林道記念碑」、その隣に「狩場刑部左衛門碑」が建つ。怪物退治した弓の名人らしい。左が古道。

石畳の古道

那智高原公園付近の石畳。

分岐点

「左、妙法山」の道標が建つ。山頂は空海が創建したとされる阿弥陀寺が建つ、ここは手前側へ下山すればよい。

青岸渡寺

西国33ヵ所礼所の第一番礼所。観音様にお祈りすればこの世の願いをかなえてくれる現世利益の信仰に由来する。

青岸渡寺の表参道

急な石段を下る(473段もあるようだ)。

大門坂

本来の巡礼とは逆に大門坂を下る。いかにも古道の雰囲気。

杉並木の参道

うっそうと茂る杉並木。大門坂は約1km続く。

大門坂

石畳の美しい大門坂も、この辺りまで。

多富気王子(右)

「たふけ」または「とうげ」 と呼ばれる九十九王子最終の王子社。

夫婦杉

この巨木は樹齢800年といわれる夫婦杉。

大門坂茶屋(左)

振ヶ瀬橋

手間が大門坂、霊城側。

大門坂入口

右に立派な街道碑などが建つ。右端は車道(県道)。

市野々王子

那智詣での人をあてこんだ市が立ったことが王子名の由来。

補陀落山寺

ふだらくさんじ。

観世菩薩の住む浄土を目指して渡海した上人の出発地とされる。ここで伊勢路に合流する。