下田街道 二日目の街道歩き旅 [湯ヶ野~天城越え編]
旧下田街道の有名な天城越えを歩いて通るルートです。
湯ヶ野~宗太郎林道周辺まで
慈眼院
下田から江戸に向かうハリスが最初に宿泊(1泊目)した慈眼院[じげんいん](写真右)。R414号沿いである。
ハリス公使旧蹟 碑
門前には「ハリス公使旧蹟」の碑(写真右)が建つ。最近、この慈眼院の境内に温泉がオープンした。「石の湯」の幟(写真中央)は、そのPRである。
ループ橋
河津七滝の手前にあるループ橋。直径80m高さ45mを2回転しながら昇降する。
付近は河津桜(写真左)の名所でもある。
大滝
ここが大滝[おおだる]。河津七滝[ななだる]中、最も規模が大きく高さ27m。この地方では平安時代から滝を「たる」と呼ぶ。水が垂れる意の垂水[たるみ]が語源。
踊子歩道
「踊子歩道」が約16km北の浄蓮の滝まで続く。多くの文学碑があり、文学ファンには、こたえられないコースである。今回の歩き旅のコースとは逆に踊子と学生は湯ヶ野、下田方面へ向かう。
初景滝
これは名場面、撮影ベストスポットだ。美しい初景滝[しょけいだる]を背景に、ブロンズ像のカップルから淡い恋心が漂ってくる。
踊子像
旅芸人らしく踊子は太鼓を持ち、学生はハカマ姿。90年位前(大正・中期)ではこれが普通のファッションだった。
旧下田街道 天城越え、道の駅周辺まで
宗太郎林道
やがて宗太郎林道に入った。静寂そのもの。
人影はまるで見えないが、管理署だろうか地元の車が1台通過しただけ。
「歴史の道」
この宗太郎杉並木から二本杉峠までは「歴史の道」にセレクトされているコースである。
分岐点
宗太郎園地の近くにある分岐点。写真左のコンクリート製の橋が二本杉峠方面。
登り100分のコース。写真右は「踊子歩道」
二階滝
先に踊子歩道を進む。
約60分で二階滝[だる]に着く。
寒天橋
石川さゆりの大ヒット曲「天城越え」(1986)を、ご存知だろうか。…わさび沢、隠れ径、小夜時雨、寒天橋…。松本清張の短編小説「天城越え」(1959)には寒天橋近くの氷室が登場する。
旧天城トンネル
寒天橋から約5分進むと旧天城トンネルが姿を現した。小説では、このあたりで学生(川端康成)が踊子たちの一行に追いついたらしい。
天城山隧道
正しくは、天城山隧道[ずいどう]。伊豆半島の南北を結ぶという地元住民の悲願が1905年(明治33)年に結実した。以来、1世紀以上も経過して苔むしてはいるが、堂々たる国の重要文化財だ。
天城山隧道
現存する日本最大の石造りの道路トンネル。長さ約446m。北側の出口が遥かかなたに白い点のように見えている。標高は708m、夏でもかなりクールという。この日は3月、当然ながら身震いした。
旧天城トンネル
こちらがトンネルの北口。ハイカーが4~5人休憩していた(写真右端)。トンネルは基本的に車の通行はOKだから歩行者は注意が必要。
二本杉歩道
さて、ここからは二本杉歩道を歩く。前述の宗太郎園地付近の分岐点から、登っていくと木の橋が架かっている。枯れ川である。
二本杉峠 指示標
徐々に高度を上げていく。
ポイントごとに「二本杉峠」への指示標があり心強い。
案内板
やがて林道と別れ案内板のある左手前の方へ登っていく。ここまで来ると下田の海が見える(写真中央奥)
峠茶屋跡
峠茶屋跡まで登ってきた。まだまだ急坂(写真右奥へ)は続く。下田街道を馬に乗ってきたハリスが途中で駕篭に乗り代えたのはこのあたりだろうか。
地蔵
寒そうな地蔵が建つ。
やはり吉田松陰やハリスの一行を迎えたのだろうか。この辺から道は、なだらかになる。
巨木
峠付近の巨木。これが二本杉かと思ったが、ぬか喜びだった。画像の水滴はアラレ状の雪!3月初旬というのに、これは想定外。
二本杉峠
二本杉峠(標高815m)は広場になっている。二本杉は中央奥。宗太郎園地から約100分かかった。意外(?)にも、ここで人影を見た。朝、歩き始めてから初めてのことである。
二本杉峠
遭遇したのは、4~5人の女性パーティだった(写真右端に姿の一部が見える)。少し言葉を交わしたが、彼女達は稜線コースで猫越峠方面を目指すという。しかし、積雪で行けなかったことを、後で知った(湯ヶ野で再会)。
旧下田街道の道標
左奥から下りてきた。
途中、何箇所か積雪があり少々閉口した。道標(右)には、はっきりと「旧下田街道」、大川端キャンプ場(バス停がある)まで10分とある。
下田街道歩きコース
コース | 下田街道歩きのプラン | |
---|---|---|
1 | 下田~湯ヶ野 | 下田市内散策→(伊豆急行)→河津(桜)→5km→湯ヶ野温泉(泊) |
2 | 湯ヶ野~天城越え~湯ヶ島 | 河津七滝→(踊子歩道or二本杉歩道)→浄連の滝→(バス)→湯ヶ島温泉(泊) ※どちらも所要時間5時間20分 |
3 | 湯ヶ島~三島 | 湯ヶ島散策→10km→修善寺散策→韮山史跡巡り→(伊豆箱根鉄道)→ 三島から帰宅 |
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