大洲街道 三日目の街道歩き旅 [松山市内散策編]
松山市内散策
子規の句碑
松山の散策は先ずJR松山駅からスタート。すぐ左手に正岡子規の有名な句碑が建つ。
春は昔、十五万石の城下哉[かな]
阿沼美神社
駅の北東750mのところにある阿沼美[あめみ]神社。
ここにも芭蕉の句碑
さまざまな事おもひ出す桜かな
芭蕉と子規の句碑
こちらの句碑には
春もやや景色ととのふ月と梅 芭蕉
写真左側
名月や伊予の松山一万戸子規
松山札之辻
神社から南西へ250m進むと松山札之辻[ふだのつじ]。かつて松山藩の高札場[こうさつば]だった所。
ここが大洲街道や土佐街道、今治街道、高松街道の起点(終点)だった。
愛媛県美術館
愛媛県美術館
正岡子規誕生地碑
札の辻から、伊予鉄道松山市駅に向かって南下する。駅前に正岡子規誕生地碑が建つ。高知県における坂本龍馬のように、正岡子規は松山市のアイドル的存在なのだ。
正宗寺 子規堂
正岡子規の菩提寺。正宗寺[せいしゅうじ]の境内にある子規堂。彼が16才まで過ごした生家を模して建てられた。愛用の机や遺品などが展示。玄関では旅立ち姿の子規[写真右]が迎えてくれる。
正岡常規
本名は正岡常規[つねのり]。肺結核で喀血(1889)してから子規と号した。中国の故事(泣いて血を吐くホトトギス)に由来する。子規はホトトギスの異名。不如帰(徳富蘆花[ろか]の小説名で有名)を当てることもある。
坊ちゃん列車
子規堂前の広場には、日本初の軽便機関車が陳列されている。これが坊ちゃん列車。
1888年10月、松山と三津(浜)の6kmを結んで開通した。子規も漱石も乗った。
与謝野晶子の歌碑
境内には正岡子規と内藤鳴雪(子規の感化を受けた俳人1847~1926)の塔が並んで建ち、その下には与謝野晶子(1878~1942)の歌碑が添えてある。
子規居士と鳴雪翁の居たまへる 伊予のお寺の秋の夕暮れ
松山中学校跡碑
一番町4丁目に松山中学校跡碑が建つ。
夏目漱石(1867~1916)が英語教師として1年間、勤務した学校。破格の待遇で校長よりも高給だった。
現在ここはNTT。写真左のバックは、愛媛県庁。
旅立ちの像
子規が通った勝山小学校は、現在番町小学校。
創立100年(1986)を記念して旅立ちの像[写真右]が建立された。
これは箱根路を旅(1892)した時の姿。
愚陀仏庵
前述の松山中学に勤務していた漱石の下宿先・愚陀仏庵[ぐだぶつあん]。愚陀仏とは夏目漱石の俳号。もとは二番町にあったものを、ここに復元した。一時、松山に帰省した親友の子規が同居(1895)したこともある。
萬翠荘
すぐ近くにある萬翠荘[ばんすいそう]。
旧藩主の別邸で純フランス様式の洋館。
残念ながら改装中で見学できず。
坂の上の雲
ミュージアム
2007年4月にオープンした坂の上の雲ミュージアム。司馬遼太郎の小説坂の上の雲は、NHKスペシャルドラマ化され2009年から3年にわたり放映されるので、楽しみだ。
二の丸多聞櫓
松山城の中腹にある二の丸多聞櫓(復元)。
ここが二之丸史跡庭園の入場門。
おひなまつり
ここでもおひなまつり。
前述の内子のものより華美かなぁ。
秋山兄弟の誕生地
前述の坂の上の雲の主人公・秋山兄弟の誕生地。
当日は祝日で何やらイベント開催中でした。
秋山兄弟の像
兄・秋山好古[よしふる](1859~1930)馬上の勇姿。陸軍大将だった。
弟・秋山真之[さねゆき](1868~1918)も軍人(海軍中将)で正岡子規の竹馬の友。
松山城
松山城は攻守の機能に優れた日本一の平山城として名高い。本丸広場の標高は132mもあるので、急ぐ人・歩き疲れた人にはロープウェイ又はリフトを利用すると良い。写真左奥が天守閣。石垣は高く急勾配である。
紫竹門
紫竹門[しちくもん]。
搦手[からめて](城の裏門)を固める重要な門。
紫竹の繁み[写真中央]に隠れて本丸広場方面を観察する仕組み。
重要文化財。
隠門
隠門[かくれもん]。
外側からは門には見えない小さな門。
敵の不意を突き、その側背を急襲する。
重要文化財。
野原櫓
野原櫓[のはらやぐら]は四国で最も古い櫓といわれる。
本丸を防衛する要衝の一つである。重要文化財。
石手寺
遍路をするわけではないが、松山城に最も近い四国霊場を訪れた。
ここが51番札所の石手寺。
シーズン到来で多くのお遍路さんを見かけた。
仁王門
石手寺の仁王門は国宝。
金剛力士像は運慶派の作と言われている。
遍路橋
遍路コースにある遍路橋。
写真左奥が石手寺。
にきたつの道
道後商店街から西へのびる小路にきたつの道。
熟田津[にきたつ]は道後温泉の近くにあった港。額田王[ぬかたのおおきみ](7世紀頃の女流歌人)の 熟田津に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな に由来する。
写真右は造り酒屋。
俳句の道
散策するには、少し短い(約400m)が、近くの俳句の道とセットにすると良い。
道後温泉駅
レトロな感じの道後温泉駅[写真左]は文字通り道後温泉の玄関口。
また坊ちゃん列車[写真右]の始発・終着駅でもある。
放生園
道後温泉駅の目と鼻の先になる広場。放生園[ほうじょうえん]。足湯もあり多くの人がくつろいでいる人気スポット。写真中央にからくり時計が見える。
カラクリ時計
この坊ちゃんカラクリ時計は道後温泉本館100周年を記念して作られた(1994年)。
1時間毎(8:00~22:00)に小説坊ちゃんのキャラクターが現れて楽しい。
子規記念博物館
松山市立子規記念博物館[写右]の前庭には、例の2人の句碑がある。
冬枯れや鐘にうつる雲の陰
子規
半鐘と並んで高き冬木かな
漱石
道後温泉本館
道後温泉本館。夏目漱石は学校の勤務が終わると(14:00)、例の下宿(愚陀仏庵)に一旦帰宅してから、ここに向かったという。新しくて(漱石が赴任する1年前、1894年オープン)気に入ったのか、日課のようにここへ通った。2kmほどだから散歩にも良い距離だった。
大洲街道歩きコース
コース | 大洲街道ハイライト・見所 | |
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1 | 大洲市内散策~内子町内散策 | おおず赤煉瓦館・大洲城・内子町の町並み |
2 | 内子~松山 | 出合橋周辺の句碑、道標 |
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