暗越奈良街道 一日目の街道歩き旅 [新石切~南生駒 暗峠越え編]
新石切~暗峠越え~西畑
生駒山の山頂近くにある暗峠を越える道は旧奈良街道。現在は国道308号になっている。しかし暗峠越えは国道とは思えぬ急勾配で道幅も狭い。酷道とも評されるこの道を歩いて越える。
道標
暗峠への道は近鉄東大阪線の新石切駅からスタートする。
約700m南、地蔵堂脇に道標(写真左)が建つ。
東江(へ)すぐ、ならいせ道 とある。ここを右奥へ進む。
奈良線のガード
近鉄・奈良線のガードをくぐり中央奥へ(進入禁止マーク)進む。
国道308号
ここから暗峠へは急坂が続く。
体力トレには、いいかな。
国道だけど、大型車はちと無理なようだ。
勧成院
眼下に東大阪市の町を見おろす勧成院(写真右)。
境内には古い松尾芭蕉句碑(1799建)が建つ。
芭蕉句碑
約100m登ると枚岡神社からの散策路(写真右)と合流する。
手前に歴史の道碑が建ち、前方に芭蕉句碑が視野に入る。
芭蕉句碑
菊の香に、くらがりのぼる節句かな。
松尾芭蕉が、この暗峠を越えた日は重陽[ちょうよう]の節句。つまり9月9日(1694)。これが最後の旅だった。
観音寺
路面の丸い輪の列は車のすべり止め。
時々、車やバイクがすいすいと追い越していく。
観音寺
街道沿いにある観音寺という密教寺院。
道標
街道は、更に坂を登っていく。道標(写真左)によれば、
ほととぎすの名所 慈光寺へは左折する。
弘法の水
弘法の水(写真右)は、冷たい石清水だが現在、飲用できない。
くらがり峠碑
くらがり峠 旅行く芭蕉 の碑が建つ。戦国時代、峠付近は樹木が茂り暗がりだったという。
地蔵堂
地蔵堂の脇には、常夜灯や道標、峠の説明板が建つ。
道標
中央の道標によれば矢田山(金剛山寺、通称矢田寺。あじさいで有名)へ2里とある。
暗峠
暗峠は昔、治安が悪かったようだ。
井原西鶴の世間胸算用(1692)によれば、追い剥ぎの記述がある。
暗峠
暗峠は目前。
この道は一応、国道(308号)である。時々、地元の車などが通行する。
暗峠・境界
ここが暗峠[くらがりとうげ](455m)。大阪府(東大阪市)と奈良県(生駒市)の境界である。左端には1859年(安政6年)の道標も建つ。
暗峠
大坂城への参勤に利用していた大和郡山藩により石畳の道になった。
日本の道100選の碑も建つ(写真右)
暗峠・土産店
かつては旅籠や茶店が20軒以上あったという。今は1~2軒軽食と土産店(写真左)があるのみ。
信貴生駒
スカイライン
生駒山地を縦走する信貴生駒[しぎいこま]スカイライン(1964開通)。
標識(写真左)の通り、街道はこの下をくぐる。
西畑の棚田
西畑の棚田風景。
大和側の坂は比較的ゆるやかだ。
藤尾町付近~南生駒
街道碑
藤尾町付近の街道碑(写真左)。暗越奈良街道とある。
約1.5km東進すると近鉄・南生駒駅に着く。奈良市街へは近鉄電車で移動するもよし、更に歩く(約11km)もよしである。
~尼ヶ辻駅
暗越奈良街道歩きのコース
コース | 暗峠越えのハイライト・見所 | |
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