熊野古道 八日目の街道歩き旅 [田辺~不寝王子~長尾坂編]
秋津王子~三栖王子
熊野古道入口
田辺市は口熊野と呼ばれるように中辺路、大辺路の分岐点だ。
北新町の道分け石
「右きみゐ寺(紀三井寺)」「左くまの道」とある。高さ約2.2m。
万呂道分け石
「右くまの道」
秋津王子安井宮跡
幾度かの水害で移転を繰り返したという。
万呂王子跡
左会津川にかかる熊野橋の北へ約50m地点。
山側へ
万呂[まろ]王子跡から左会津川を渡り、山側の道を登る。
三栖王子跡
衣笠山の南側の丘陵にある。万呂王子から2km。
八上王子~稲葉根王子
道標(中央やゝ左)
熊野古道の標識が建つ。右へ進むのが古道。
新岡坂トンネル
左の道を下って来た
八上王子跡
西行が歌を詠んだことでも知られる王子跡。
稲葉根王子(左奥)
五体王子の一つである。右は山越えの古道。
一ノ瀬王子~不寝王子
一ノ瀬王子
清流・富田[とんだ]川の瀬を渡った所にある。
鮎川王子
「大塔宮剣神社」碑と並び建つ。「鮎川王子社跡」碑。
藤原定家の歌碑
「そめし秋をくれぬとたれかいはた河またなみこゆる山姫のせて」と富田河の秋の情景を詠む。「のごし橋」たもとに建つ(1999建)。
清姫の墓(左)
その右に薬師堂が建つ。
真砂付近の景観
相輪状のモニュメントが建ち、最上部には牛馬童子像が置かれている。
滝尻王子
格式が高く五体王子の一つであった。ここは熊野の霊城の入口とされて、参詣者は川で「みそぎ」をし、社前で経供養や里神楽が行われた。
滝尻に句碑が並ぶ
(写真左)「松蝉や熊野古道草の中」
(写真右)「滝尻や夕日に鮎のまた掛かり」
乳岩
奥州の藤原秀衡夫妻が熊野詣でした折、やむなく赤子を置いて行ったところ、岩から滴り落ちる乳を飲み、狼に守られ元気に育っていたという。
不寝[ねず]王子
前述の乳岩の少し上にある。
長尾坂
方向転換
ここで近世のルートに方向転換する。江戸時代のメインコース、いわゆる潮見峠越えである。ここ小野原口には例の青い標識(写真右のミラー下)が建つ。
往時の面影
長尾坂の一部には石畳が残っている。
長尾坂
水呑峠まで険阻な坂が約16町続く。
長尾一里塚跡(中央)
ここに和歌山から21里にあたる一里塚が設けられた。
水呑峠~潮見峠
関所跡
長尾坂から捻木[ねじき]峠までの行程は4.5km程。手頃な距離だ。
展望
田辺の湾内を一望する。
水呑峠
長尾坂の中で特に水に恵まれた所で、当時は茶店があり旅人はこの辺りで休憩したようだ。
捻木峠
枝が捻れた大木(写真左)があり、根元には役行者が祀られている。
捻木の杉
清姫伝説も残る高さ約20mの大木。一里塚跡。
熊野古道歩きのコース
番号 | コース | 見所、ハイライト | |
---|---|---|---|
1 | 小辺路 | 高野山~大股 | 相ノ浦口、薄峠 |
2 | 小辺路 | 大股~伯母子峠~三浦口 | 桧峠、伯母子峠 |
3 | 小辺路 | 三浦口~果無~谷瀬 | 三浦峠、谷瀬の大吊橋 |
4 | 小辺路 | 果無越~八木尾~三軒茶屋 | 果無峠、伏拝王子 |
5 | 小雲取越 | 本宮大社~請川~小口 | 大斎原、百間ぐら、桜峠 |
6 | 大雲取越 | 小口~越前峠~那智大社 | 円座石、越前峠、舟見峠 |
7 | 祭 | 那智の扇祭 | 那智田楽、御火行事 |
8 | 中辺路 | 田辺~不寝王子~長尾坂 | 滝尻王子、長尾坂、捻木峠 |
9 | 中辺路 | 高原~近露~発心門王子 | 近露王子、野中の清水、男坂 |
10 | 紀伊路 | 天満橋~大鳥大社~和泉府中 | 四天王寺、阿倍野王子 |
11 | 紀伊路 | 和泉府中~信達宿~山中宿 | 信達宿、山中宿 |
12 | 紀伊路 | 山中宿~黒江~JR海南 | 雄ノ山峠、矢田峠、黒江の町並み |
13 | 紀伊路 | 藤白神社~拝ノ峠~方津戸峠 | 丁石地蔵、拝ノ峠、糸我峠 |
14 | 紀伊路 | 湯浅の散策 | 重伝建地区、立石道標 |
15 | 紀伊路 | JR湯浅駅南~御坊~田辺 | 鹿ヶ瀬峠、道成寺、闘鶏神社 |
16 | 伊勢路 | 田丸~ツヅラト峠~紀伊長島 | ツヅラト峠 |
17 | 伊勢路 | JR三野瀬~尾鷲~JR三木里 | 八鬼山峠 |
18 | 伊勢路 | 二木島~熊野、本宮道・北山道 | 横垣峠 |
19 | 大辺路 | 新宮の散策 | 熊野速玉大社、新宮城跡 |
20 | 大辺路 | 阿須賀神社~高野坂~三輪崎 | 高野坂 |
21 | 大辺路 | 西浜~長井坂~見老津 | 長井坂、段築 |
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